★2007年以前の主な作品
転校生
音楽室に鳴り響くピアノの旋律が、惨劇の真相を教えてくれた。図書室の貸し出しカードは死への招待状。理科室で出会ったあの人は伝言ダイヤルに仕掛けられた闇の迷路に消えていった。美貌の転校生をめぐって5つの教室でくり返される5つの恐怖。封印された怨念の扉を開けてしまうのは、あなたかもしれない。書下し学園ホラー。
☆角川ホラー文庫/1993年7月発売
転校生2
真夜中の時間割
桜の花の咲き乱れるころ、新卒の国語教師として都内の名門高校に赴任してきた萩尾圭子。学校という閉ざされた空間の中で、不可思議な出来事が圭子を襲う。春の校庭で、初夏の教室で、修学旅行で、目には見えないもうひとつの世界が圭子の前に顔をのぞかせる…。書下し学園ホラー。
☆角川ホラー文庫/1995年8月発売
転校生3
水域 アクエリアス
かつて無数の死体が流れ着く異界の地であった下町・深川。歴史研究部に属し、深川に魅せられる咲子の周囲で、女生徒たちが次々に不可解な自殺を遂げる。咲子は、送り主不明のCDが自殺の共通点らしいことを突き止めたのだが…。シリーズ最高の書き下ろし傑作長編。
☆角川ホラー文庫/ 1999年8月発売
東京怪奇地図
千束吉原、本所深川万年町、千駄木団子坂など。一葉、鏡花、乱歩、文豪の愛した町でおこる奇怪な事件は、いまなお彼らの生きた「土地」への怨念が昏き影を落とし、異界への扉として大きく口をひらいている。幻視者たちの目から見た東京を幻想的に描く恐怖小説短編集。単行本☆角川書店/1997年1月発売
化粧坂
呪うほど愛して…、そして私を狂わせて。29歳の銀行員美和子。独身、代わり映えのしない日常。北条時宗の時代に、愛欲に生きた女性・二条が綴った日記文学「とはずがたり」が静かな生活を揺さ振り始めた…。ゴシックでセクシャルな恋愛小説。
単行本 ☆角川書店/2001年8月発売
快楽殿
昭和30年代初め、あらゆるタブーに挑戦し耽美と贅を尽くした限定版豪華雑誌が話題に。が、創刊6号を数えて『快楽殿』は姿を消す。盛岡でオンライン書店を営む矢城は、東北財界の重鎮から『快楽殿』を入手するよう依頼された。手がかりを追う矢城を待ち受けていたのは稀覯本を取り巻く闇世界。そして『快楽殿』そのものが大いなるミステリーだった。傑作サスペンス。新書版☆徳間書店/2001年1月発売
妖花一夜契
何かが記憶の底で閃いた。あの果てしなく深いプールの底で見たものは、こんな感じに似ていたっけ…。「それが、あなたを引きずり込んだものの正体?」結子は立ち上がって、白い木蓮を見つめながら言った。木蓮を木恋と書いた人…(『木蓮忌』より)。命こそ絶ゆとも絶えめ、定めなき世の常ならぬ仲の契りを。狂気と享楽、愛と幻想の世界へ。
単行本 ☆徳間書店/2007年7月発売
宗湛修羅記
天正15(1587)年大坂城内での秀吉への初拝眉が、博多の豪商神屋宗湛の修羅の始まりだった。天下統一を目前にして、秀吉の目はすでに朝鮮、明へと向けられていた。宗湛はこれを機に秀吉の庇護の下、町の復興を目論む。出兵回避を画策する博多商人衆は、秀吉を制するべく茶聖千利休に近づく。だが利休には思いもかけぬ運命が待ち構えていた。様々な思惑の交錯する茶室で変転する時代の幻を見つめた宗湛が、「茶会記」の行間に記したものとは?著者渾身の歴史ロマン巨編。
単行本 ☆祥伝社/1999年4月発売
青衣童子
天平九年、奈良の都は、飢饉の上に、顔や体に潰瘍が出来、崩れ落ちてしまう恐るべき疫病が流行していた。そんなある日、権勢を誇っていた藤原一門の房前が鬼病で急逝した。しかし、彼は病ではなく、青摺りの衣を着た童子に暗殺されたらしいとの噂が…。数ヶ月後、今度は藤原麻呂が命を落とした。これは藤原一門に対する呪いなのか、連続殺人なのか?奈良の深い闇を描き切る古代ホラーシリーズ、待望の書き下ろし第二弾。
☆ハルキ・ホラー文庫/2001年8月発売
朱
編集者の小原貴子は、歴史学者の入江教授の別荘を訪ねたが、教授の首にはナイフが刺さり、既に息絶えていた。とっさに貴子が持ち出した原稿には、聖徳太子の時代の恐るべき事件が描かれていた。「推古25年、飛鳥では、奇々怪々な“首狩り事件”が頻発。切断された首には必ず朱い顔料が塗られていた」。“首狩り事件”の真相、入江教授の死との関係は? 渾身のホラーミステリー長篇。
☆ハルキ・ホラー文庫/2000年8月発売
青い灯の館
湘南海岸にある古めかしい西洋館。その館には幽霊が出るという。自動車事故で演奏活動を断たれたヴァイオリニスト霧生冴子は、この館の主人の一人娘美也のレッスンを頼まれる。破格なレッスン料,閉ざされた秘密の怪獣庭園、館の中でおこる数々の不可解な事件…。冴子の周囲は館につきまとう過去の亡霊とともに次第に暗い炎に包まれる。ミステリー・ロマン。
単行本☆角川文庫/1989年1月発売
放課後の記憶
元高校教師の尾藤は妻の死を契機に教え子達を訪ねる。都会でそれぞれの生活を送る彼らは、その訪問を一様の驚きを持ちながらも歓迎した。だが、その心中に甦るのは、いまだ燻り続けている25年前の高校2年の終りに起きたクラスメイトの謎の死だった…。書き下ろし長篇推理小説。
単行本☆立風書房/1994年2月発売